「今、ここ」のクオリア堪能法
「真の愛論」の「真の愛の驚異的な感化力と実践の奥義」の⑨真の愛を更に増幅する神様に対する自発的服従に、「今、ここ」の考え方や実践法を加味し原理的にアレンジしたら素晴らしいメソッドが出来上がりました。
実践してみると感動的な効果を体感しました。
一般的なマインドフルネスの「今、ここ」の実践法は瞑想が主です。それに比べてこのメソッドは目を閉じて静的にもできますが、普段の生活として動的にもできます。また、瞑想というと一般的に個人的目的で行うものです。このメソッドも個人的な要素はありますが、それ以上に神様への精誠です。祈りと同じ意味を持ちます。神様への精誠となれば、それはとても公的なことになります。
これがこのメソッドの一番画期的な所だと思っています。
この章は次章の「今、ここ」の神様の魔法と真の愛実践法に至るための基礎になっています。この章をご理解の上に次章にお進みください。
二つの章をご理解いただくことで、「今、ここ」に現れている神様の愛をいつでも容易く体感できる道が出来たと思います。
ここに自信をもってご紹介いたします。
<「今、ここ」を重視する一般に普及している手法と効果>
さて、「今、ここ」を重視する考え方は、古くはお釈迦様が悟りを開いたときの瞑想法であると言われているヴィパッサナー瞑想に見ることができます。
また、学問的にはオーストリアの精神科医アドラーによって始まったとされています。近年になってゲシュタルト療法という心理療法で使われ始めてその効果が注目されるようになりました。それまでの心理療法が、フロイトの精神分析のように過去のトラウマを解放することを重視したのに対して、ゲシュタルト療法は今、ここにある患者の苦痛を解放することに焦点を置きました。しかし、これらはあくまでも精神疾患を治療することを目的にしたものでした。
そして現代、「今、ここ」を大事にして集中するという方法論を、一般の人でもできるような形にしたマインドフルネスなどの瞑想法が広く認知されてきています。これも第一祝福復帰の現象かもしれません。
さて、「今、ここ」の方法論の代表ともいうべきマインドフルネスは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士が、原始仏教や東南アジアの上座部仏教に伝わる瞑想法、大乗仏教の教えも取り入れ「マインドフルネス瞑想」を構築し、医療分野に最初に取り入れ、慢性の痛みとの共存を目的としたプログラム「マインドフルネスストレス低減法」を開発したことから始まりました。マインドフルネスが世界中で受け入れられた理由は、マインドフルネス瞑想の体や脳への効果や有効性が、多くの科学的医学的研究により示されるようになってきたことにあります。
2014年2月、タイム誌の表紙が「マインドフル革命(The Mindful Revolution)」の文字にによって飾られました。そして実際、多くの有名企業でも導入されています。
・googleでは、社員の「ストレス低減」「集中力向上」などを目的に取り入れました。
・Appleでは、創始者であるスティーブ・ジョブズもマインドフルネスを取り入れた事で有名です。また、創造性が高まる効果に期待して、技術者や社員へのマインドフルネスを推奨しています。
・金融系企業グループであるゴールドマンサックスはマインドフルネスを導入し、2014年のフォーチューン誌で「最も働きがいのある企業」で前年の90位から45位へ躍進しました。
この他、Intel、Facebook、Yahoo、メルカリ、丸井グループなど多くの企業が取り入れています。
個人で実践している有名人は余りに多く、枚挙に暇がありません。
一般的なマインドフルネスのやり方の例
一般的なやり方を知るために、参考までにNHK健康チャンネルで取り上げられたマインドフルネスの代表的なやり方を見てみましょう。https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_699.html
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背筋を伸ばして座る。目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
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息を吸ったときに、おなかや胸がふくらむのを感じ、心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸する。
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息を吐いたときに、おなかや胸がちぢむのを感じ、心の中で「縮み、縮み」と実況する。
雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。呼吸の瞑想は、1日10分ほど行い、慣れてくれば時間をのばしても構いません。
さて、マインドフルネス瞑想は、次のような効果が研究により明らかにされています。(https://snabi.jp/article/118 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 井上雅彦教授監修)
身体的な効果
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緊張がゆるみ、表情や体がリラックスする
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痛みや喘息、過食や抑うつなどの症状が改善する
精神的な効果
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集中力が高まる
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ストレスが軽減する
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注意力や洞察力が高まる
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自分の限界や障害を受け入れる心の余裕ができる
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肉体的・精神的な痛みや、問題に対処する自信が持てるようになる
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不安感や絶望感、怒りなどのネガティブな感情がやわらぎ、「自分をコントロールできる」という自信が生まれる
更に、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想に似た手法も含めて「今、ここ」を大事にして集中することを実践している体験者の証しには次のようなものがあります。
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人生の質が上がる。心配することをしなくなり充実感が高まる。
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小さな幸せが増える。時には幸せを感じて泣きそうになる
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気分が高揚し、わくわく感、うきうき感が湧き上がってきて自然と笑顔が増える
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有用なインスピレーションが増える。アイデアが次々に湧いてくる。創造性が高まる
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体が軽くなり健康になる
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説得力、表現力が向上し、腹が座って本番に強くなる
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運勢が良くなり、チャンスが次々に向こうからやってくるようになった
など良いことずくめです。
もちろんこの章は、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想そのものを紹介することが目的ではありません。
これらの瞑想的手法を実践している人は多くいますが、何故「今、ここ」を大事にして集中することで大きな効果が生まれるのか十分に解明されているわけではありません。
原理やみ言にはこの世界の現象を根本的に深く解明し、既存の理論を高次元で吸収発展できる力があります。大きな効果を持つこの内容を原理的に解明し、高い次元で実践できるようにできたら、皆様の幸せが増進し、み旨推進の大きな力になると確信します。
それでは、本題にいきましょう。
マインドフルネスのような「今、ここ」に集中する手法は、現代社会が必要とする様々な効果を生み出していますが、それはどういう仕組みによってもたらされるのでしょうか?一般の人はその機序を知らないで実践していますが、そこには知ったら驚くような根本的内容があるのです。
原理的に観察し原因を解明してみましょう。
<ほとんどの人が、驚くほど意識が現在の現実にない>
人は現在に存在している事象に対して、自分で思うより遥かに意識していないのです。つまり、貴重な現在を無意識的に過ごしてしまうことで、大事な実在の現実の多くを失っています。
意識が「今、ここ」にないならどこに行っているのでしょう?
「過去という観念世界」
「未来という観念世界」
「空想という観念世界」
これらの3つの場所には、現実が存在しません。現実は今いるこの場所にしかありません。意識全体に対して「過去」「未来」「空想」に流れる意識の割合は90%を超えると言っている人もいます。
「今、ここ」にじっくり腰を据えている人はとても少ないと言えます。
人間は思った以上に落ち着きなく過ごしているのです。
<意識が「今、ここ」にない原因>
人は「あの店の料理はおいしかった。」「あの上司は良かった。」「あの旅行は良かった」「あれはひどい目に遭った」など過去にかなりの意識が流れます。
「老後が心配だ」「元気だった知人が急に亡くなった。自分にもその運命が来るもしれない」「明日の会議での報告はどうしたらよいか。上手くできるだろうか。」「今日の夕食の献立は何が良いだろう」「明日の天気はどうだろう」など未来にもかなりの意識が流れています。
また、仕事中でも、食事をしたり、歯磨きしたり、ふろに入ったり、トイレに行っている時でも、別のことを考えたりするのが常ではないかと思います。あるいは電車に乗っている時、あるいは授業中や会議中でもスマホをいじって関心は別の所に向かったりします。意識がその場にないのです。思いは様々な世界に飛び空想の世界に行くことも多いのです。
この原因は、何でしょうか?
原理的に探ってみましょう。
① 人間の本質的に喜びと幸せを得ようと思考し行動します。現在が喜びが少ないとすれば、意識を現在に向けようとはしません。
ほとんどの人は現在に対してあまり喜びを感じていません。要するに、つまらないからです。あるいは、現在に喜びを見つけられないからです。
ひいきのチームの試合を見たり、とびきり美味しい食事を食べたり、きれいな景色を見たりする時は、確かに意識は現在にあります。しかし、全体的に見ると現在は喜びが少ないのです。現在の味わい方を知らないと言った方が正しいと思います。このため、喜びや幸せを求めて「過去」「未来」「空想の世界」に流れます。
② もう一つの原因は、堕落によって過去、現在、未来という時間に対して感じる本然のクオリア(質感、情感)が歪んでしまったことです。
堕落に伴って本然で正常な過去、未来に対する情感が失われたのではないかという気がしています。
堕落は本然の情感とは真逆の情念を生みました。これが堕落性本性です。堕落が原因となって過去、現在、未来に対して本来感じるはずの質感、情感がゆがむのです。これが人類始祖だけではなく全人類の無意識的情感となったのです。
性行為は本然では最も神聖なものですが、堕落して卑しいものと感じるようになったのも一例です。
同様に過去、未来にたいする本然の情や観念が失われ堕落性本性化したのではないかと思います。
具体的には、堕落することでルーシェル、アダム、エバに深刻な後悔が植え付けられました。
これにより過去は良いものではなく後悔に満ちているという無意識的情念が本性化したのではないかと考えられます。また、堕落は天に反逆したことなので、未来には天罰としての不幸や苦痛が待っているという不安や心配といった無意識的情念が本性化したと考えられます。あるいはこのままではまずいという情念も本性化して未来を変えなければという焦りの思いが無意識的情念として本性化しているように思います。
堕落性本性が無意識的に湧いてくるように、過去、未来への情念も無意識的に人類全体に湧いてくるのだと思います。
現在は過去と未来の情念に占領されている状態です。
すなわち、人間は過去を思うと後悔の情念が心の底にあるのです。未来を思うと不安、心配、焦燥感の情念が心の底にあるのです。これが本来喜びで満ちているはずの現在に後悔、不安、心配、焦燥感という情念が無意識的に色濃く影を落としています。
本然では、過去、現在、未来のどの時間領域に思いを馳せても幸せと幸福な気持ちがやってきます。
しかし、堕落した人間にとっては、心の奥の無意識世界は暗く苦痛に覆われるようになりました。このため、心はそこから逃れようと、より明るい所に向かいます。特に空想の世界は過去、現在、未来とは関係してはいますが別の世界なので苦痛を忘れさせてくれる、行きやすい場所になります。映画やドラマなどの空想の世界を描く物やゲームやバーチャル機器などがどんどん増えている理由の一端もそこにあると思います。
後ほど述べますが、意識を正しく現在に向けないと、後悔、不安、心配、焦燥感が支配するようになりストレスが増大します。平安や安らぎは失われ、駆り立てられるような、いつも落ち着かない生活になります。現在中心の生活をし、そこに喜びを見出すことは、堕落性を脱ぎ本性を啓発する生活をすることになります。
③ 神様の愛は現在に現れます。このため悪霊人、堕落天使などの悪の勢力は、人間の意識が現在から遠ざかるように働きかけます。
現在をしっかり味わうと神様の愛に触れることができます。
悪霊人の働きは、私たちが想像する以上に大きいのですが、悪霊人は地上人を神様から遠ざけようとします。そのために悪霊人にとって一番効率的な道は地上人の意識を現在から遠ざけることです。
後悔、不安、心配、焦燥感がどんどん大きくなるようにし、現在がそれによって占領されるように働きかけるのです。
人間が現在に意識を持って行って味わおうとするのを妨害します。多くの人は知らず知らずのうちに悪霊人の思い通りに操られています。
終わってしまった過去の事をいつまでもクヨクヨと後悔する人、過去を自慢することが日常になっている人、毎日の生活が将来への不安や心配で占領されている人はあちこちに見つかります。
あるいは、四六時中スマホやPC、ゲームなどに必要以上に没頭している人は数知れません。こういった人たちの背後に悪霊人の業を感じます。
自分の好きなように生きていると考えている人も多いのですが、実はかなりの時間を霊に好きなように操られています。上の空状態、心ここにあらずの状態、ボーとしていたり、雑念にとらわれている時も悪霊人にやられているのです。
<「今、ここ」に集中すると何故効果が出るのでしょう>
神様は現在に働きかけられます。
神様は私たち人間と同じ時間を生きられます。
神様も現在に生きられるのです。
そのため神様の役事は現在に現れます。同時に神側にある善霊人、天使も地上人の意識が現在に留まることで神様の役事が現象化するように働きかけます。
善神と悪神の戦場は現在です。
前述しましたようにサタンの勢力は人間の意識に様々な雑念を上らせ現在から引きはがそうとします。地上人の意識が過去、未来、空想の世界という現実にはない観念世界に向くように働きます。
こういう悪霊人の業が効果を発揮し、地上人の意識が現在から消えることが多くなると、神様や善霊人、天使が働けなくなり、堕落論に書いてある悪神の業が現れやすくなります。すなわち、「悪神の業は、時間がたつにつれて不安と恐怖と利己心を増進せしめ、また健康をも害するようになる。」となります。
知らず知らずのうちに無意識的な不安、恐怖に操られ利己的になり健康を害するようになっていくということです。
反対に、意識を現在に集中していくと神様、善霊人、天使が働きやすくなります。
すなわち、「善神の業は、時間がたつにつれてその個体の平和感と正義感を増進せしめ、その肉身の健康をも向上させる。」となります。
マインドフルネスなどの瞑想によって現在に意識を持っていくことによる効果をまとめると次のようになります。これらは善神の業と驚くほど一致します。
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集中力が上がる。雑念を排除できるようになる。
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ストレスが減る。イライラや心配が減る。
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親切になれる。人に親しみが湧き優しくなる。
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自制心がつく。誘惑に負けなくなる。
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不安に悩まされなくなる。マイナス思考からプラス思考になる。
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睡眠の質が上がる。不安が減るので安らかに眠れる。
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幸福度が上がる。日常で幸せを感じることが多くなる。
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慢性疼痛、ガン、心臓病、うつなどの患者が改善したという研究結果がでている。1日10分を8週間以上継続することで身体の35%、心の40%の不調が解消すると言われている。
これを見ると、現在に意識を集中することが神様と霊界を味方につけることであることが分かります。私たちが勝利するためには神様と善霊界の応援が不可欠です。「今、ここ」に集中すると神様と善霊界が応援が得られるのです。応援してもらって得られるのは愛です。それも真の愛です。
「今、ここ」に集中すると得られる効果は神様の愛すなわち真の愛によるものです。
一般の人がこれを読んだら、何を言っているんだと言うかもしれませんが、神様の愛を味わったことがある人は、マインドフルネスの効果は神様の愛によるものだと気づくはずです。
<「今、ここ」に集中すると何故神様の愛が出現するのでしょう>
前節で述べましたように、神様の御業は現在に現れるため、神様の愛は現在に現れます。しかし、神様の愛が現在に現れるもう一つの理由があります。
神様の愛と言っても、もちろん直接主管圏での愛ではありません。それは間接主管圏での愛です。食口の中には神様の愛は直接主管圏にしか現れないと思っている人もいますが、それは誤りです。実際は間接主管圏における神様の愛もとても強いのです。
神様の愛は神様の精誠を通して出現します。その中でも特に分かりやすいのはクオリアの精誠と呼んでいるものです。
クオリア、すなわち質感、情感を通して現われる神様の愛です。
(wikipediaはクオリアについて次のように定義しています。『クオリアとは「感じ」のことである。「イチゴのあの赤い感じ」、「空のあの青々とした感じ」、「二日酔いで頭がズキズキ痛むあの感じ」、「面白い映画を見ている時のワクワクするあの感じ」といった、主観的に体験される様々な質のことである。』 )
(真の父母様が言いたくても言えなかった)み言の深意を解明しなさいと神様が私に指示された時、何故神様は私に指示されたのかと思いを巡らせました。天の父母様聖会には、いろんな分野で私よりも優れている人がたくさんいるのにどうして私なんだろうと思いました。その中で一つだけ思い当たることがありました。
それは私が、クオリアが霊界の創造と天地創造以前から存在していたことと、クオリアがどのように出現するのかという仕組みに気付いていたからではないかと思いました。なぜそう思ったかといいますと、クオリアが分からないと天地創造以前と以後の神様の精誠、夜の神様、昼の神様、神様の解怨の道を行かれた父母様の路程など、多くのことが解けないからです。
さて、創造原理の第一章をみると性相と形状の両方が被造物の創造時に同時に埋め込まれたかのように解釈できます。
しかし、統一思想を読むと、被造物の性相は神様の意識と直接的につながっていて、神様が意識を投入し続けて初めて出現するものだと分かります。もちろん被造物の形状も神様の万有原力の途切れない投入があって初めて存在できますが、被造物の性相は神様の不断の愛の投入があって出現するものなのです。
要するに、クオリア(質感、情感)は神様の愛の体化物なのです。これは身近で、有って当たり前と感じています。空気のように当たり前にあるのでその価値の大きさに気付きません。
空気の先に神様を見つけることは簡単ではありませんが、クオリアの先にある神様を知ることは案外簡単にできます。
何故なら、クオリアは神様と人間の間に存在するからです。
クオリアのすぐ先には神様と神様の愛があります。
クオリアは薄い膜のようなもので向こう側のものが染み出てきます。クオリアの向こう側にあるものは神様と神様の愛です。
「今、ここ」に集中すると言ってきましたが、集中する対象は「今、ここ」で私に感じられるクオリアです。
マインドフルネスのやり方としては、外界への感覚を最小限にして、自分の体から上って来る感覚に意識を向けること。自分の体に上っていても普段は気にも留めない繊細な感覚を感じ取ることです。
自分の呼吸に意識を向ける。
ボディスキャンと呼ばれる自分の体の各部に意識を向ける。
食事の時に食べることだけに集中し味、食感をしっかり感じる。
これらは外界を捉える視覚からの情報があまりに膨大であるため、感覚を今、ここに集中することが難しくなるので、視覚からの情報を最小限にして体感覚や味覚に特化することで今、ここをしっかり味わる様にするためです。
要するにマインドフルネスの本質は、神様の愛の体化物であるクオリアをしっかり味わうということなのです。
詳しくは次章で丁寧にご説明いたしますので、ご覧ください。
< 「今、ここ」のクオリア堪能法のやり方の基礎編 >
基礎編のやり方はとても簡単です。
これだけでも一般的なマインドフルネスの「今、ここ」の集中法よりもずっと効果が出ます。
普段の生活や様々な活動する時に次々と出現する様々なクオリア(質感、情感)をじっくり味わうだけです。
初めは質感に意識を集中してじっくり味わいます。質感を味わう事よって情感が発生する時は、その情感もじっくり味わいます。
初級はこれだけです。
質感、情感をイチゴを食べた時を例にすると次のようになります。
まず、質感ですが具体的には、
目で見た時の実の赤色やヘタの緑色などの色彩感、光沢感、立体感、
舌に感じる甘さ、酸っぱさ、新鮮さ、
食感としての嚙み心地、飲み込むときの喉越し、
鼻に抜ける香りも含め鼻全体で感じる香りです。
食道から胃にいたる時の触感もあります。
これらをじっくり味わいます。
質感は何かをする時に必ず五感に上ってきます。
これらは何となくやり過ごしますが、上ってくる質感に注意を向け、しっかり受け止めます。
次にこれらの質感から生まれる情感です。
イチゴを食べるなど食事の時は、質感の後、あるいは同時に美味しいなどの情感が訪れます。それもしっかり味わってください。
そして、それは最後に好きだ!という愛の情感を生み出します。
これらをじっくり味わうのです。
この手法での留意点としては次のようなものです。
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自分の意識に生じているクオリア(質感、情感)の中でも、まず質感にしっかり意識を向けて深く味わうことです。質感にしっかり焦点を置けば、後から情感が訪れます。
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実践する時は静かな場所の方がより良いとは思いますが、歩いていても、走っていても、仕事中でも、家事の時でもいつでもできます。クオリアはどんな時でもいつも生じているからです。
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一つ一つの行動を意識して真心を込めてすると味わいが深くなります。初めは3分などの短い時間でも良いです。慣れてきたら、より多くの時間を「今、ここ」に生じている質感、情感に集中してみてください。
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意識が別の所に行っていても気が付いたら戻れば良いのです。
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食口の皆さんは、祈りで意識を集中することを普段からやっているので、クオリアに集中することはそんなに難しくないと思います。祈りの時の意識の集中とクオリアへの集中はほとんど同じと言っても良い程に似ています。祈りは生ける神様に意識を集中することなので「今、ここ」の手法の典型です。
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視覚のクオリアである、色彩、明暗、立体感、透明感などはインパクトが強く味わうことを忘れてしまうので、初めのうちは聴覚、味覚、臭覚、触覚、体内感覚に上ってくるクオリアがやり易いです。
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食事をする時に、人と話したり、これからの予定を考えたり、テレビや新聞、スマホなどを見たりしないで味覚と噛み心地、喉越し、香り、噛むときの音などに意識を集中するのです。味噌汁から立ち上がる香りもじっくり味わうととても良いです。
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音も良いです。音もクオリアです。自然の音が良いです。川の流れる音、鳥のさえずり、寄せる波の音に耳を傾けて深く味わってください。自然が近くにない場合は暫定的にyoutubeなどの自然音も使えます。自然が今、ここにあると感じるよう、なるべく高音質のものが良いです。
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でも、できれば本物の自然がよいです。川に行って大小の石を水面に投げてその音を余韻に至るまで聞いてみてください。痺れます。海の波の音も聞き飽きません。流れる水や押し寄せる波の姿は余りに美しく芸術的です。肌に触れて流れる風や木々が揺れる姿や音も何とも言えません。
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体内クオリアもおすすめです。例えば、呼吸する時の体感もなかなか良いです。鼻を通過する空気のながれ、肺のふくらみなどをしっかり味わってください。
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心臓が鼓動する感覚、心を胸のあたりに感じる感覚、暑い、寒いなどの皮膚感覚、あるいは歩いたり、走ったりするときに足の裏や体全体に感じる接触感、重力感、震動感など、しっかり味わうのもおすすめです。
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慣れてくると、み旨の集中する中で今ここに働かれる神様と、今ここにいる人に意識を集中してそこから感じるクオリアを味わうステージもあります。
要するにその時々に五感を通して感じる質感を流さず、しっかり受け止めることです。情感が出てくればそれをじっくり味わうだけです。それだけで効果は十分に現れます。
これは、初級のやり方ですが、神様と原理を知らなくても数日間で前述したような明確に効果を実感できます。
習慣化しようとしなくても、現れる効果で毎日したくなるので自然に習慣化していきます。
なお、質感、情感の発生過程についての図を下記に記載します。
この仕組みについては次章で述べますので、今はすべて理解できなくても大丈夫です。
この章の続きは「今、ここ」の神様の魔法と真の愛実践法(クオリア論Ⅲ)をご覧ください。