歴史をひっくり返す経済の大変革を起こす時が来ました
<深刻な格差の拡大>
2023年7月4日、厚生労働省から『国民生活基礎調査』の最新値が公表されました。それによると2021年の日本の相対的貧困率は15.4%でした。
経済協力開発機構(OECD)が公表する各国の貧困率の最新値でみると、米国(15.1%)、韓国(15.3%)に抜かれました。
OECDの国際比較をみると、日本よりも貧困率が高いのは、メキシコ、ルーマニア、コスタリカなどを残すのみとなりました。現時点おいて、日本の貧困率が先進国で最悪であることがわかります。
相対的貧困率(単に貧困率とも表記される)とは、等価可処分年間所得が中間値の半分未満の世帯員の割合を指します。日本では具体的には127万円未満が相対的貧困層となり、おおよそ6.5人に1人が貧困状態にある計算になります。
相対的貧困に陥ると次のような状態になると考えられています。
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生活費や進学費を稼ぐために毎日アルバイトをする必要がある
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金銭的に大学進学を断念する
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親子関係がうまくいかなくなる、家庭崩壊の要因となる
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子供が非行に走ったり、いじめや差別を受けたりする
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塾に通ったり、習い事をしたりする金銭的余裕がない
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自己肯定感がなくなる
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恋愛、結婚、出産、家庭生活への意欲を失う
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将来への希望を失う
読売新聞社は2023年1月25日~2月28日、全国の有権者3000人を対象に行い格差に関する全国世論調査を実施しました。それによると、日本の経済格差について全体として「深刻だ」と答えた人は、「ある程度」を含めて88%に上りました。
日本の経済格差が今後どうなると思うかを聞くと、「拡大する」が50%で、半数が悲観的でした。「変わらない」は42%で、「縮小する」は7%にとどまりました。
韓国でも労働者の格差がますます拡大し、大企業に入れなかった若者は劣悪な環境で働いている場合もあります。多くの若者が恋愛、結婚、出産、就職、マイホーム、人間関係、夢等をあきらめる状況に追い込まれています。多くの仕事は臨時的・短期的仕事に偏っています。若者の間でこのような臨時的・短期的仕事はティッシュのように使い捨てされるという意味で「ティッシュインターン」と呼ばれています。
また、高齢者の貧困率はOECD平均の3倍に達しています。
米国で国家の分断が生じているのは皆さんも良くご存じだと思います。分断の原因を全人口に対する白人の占める割合が半分にまで落ち込んできていることを挙げる人もいますが、本質は人種間の葛藤以上に経済格差の拡大に根本原因があります。これが政治的分断を生み出し、合衆国の統一性を脅かすほどになっています。
世界的な経済格差の拡大は予想以上に非常に深刻な状況です。
日本経済新聞の2023年1月7日の記事によれば(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA07D990X01C22A2000000/#k-think)
1917年、レーニンによる共産主義革命がおこる以前の1905年時点で、ロシアでは所得が多い上位10%への富の集中度は48%に達していました。これは急激な時代的変化によって生じた特殊な例であり、現代の成熟した先進国では起こりえないと考えてきました。
しかし、2021年における所得が多い上位10%への富の集中度は、米国の46%を筆頭に日本が44%、中国が43%、欧州が36%に達しています。ロシア革命前夜の水準に近くなっています。
『フランスの経済学者トマ・ピケティ氏らが運営する「世界不平等研究所」(本部・パリ)が発表したデータベースによると2021年の韓国における所得上位10%の層が全体に占めるシェアは46.5%に達しています。また、世界全体の所得では、上位10%の富裕層が占める所得の割合は52%に上り、下位50%はわずか8.5%でした。』
格差に対する不満は噴火前のマグマ溜まりのようになってきていて、革命とまではいかなくても暴動が頻発してもおかしくない状況です。先進国でも大衆の発言や行動は、より過激化する傾向にあります。
ボリシェヴィキのよるロシア革命が起こった1917年当時のような経済的、社会的情勢なのですから、今は危機であると同時に大変革を成し遂げる絶好にチャンスだとも言えます。
<解決される気配すらない経済的、社会的な根本問題>
この世の中を見ると、憲法による基本的人権の保証、三権分立や政党政治、弱者のための福祉制度など本然の世界に近い体制ができ上ってきていると感じるものがあります。
原理講論にもそう感じさせる内容が記されています。
文化圏の発展においても、一つの宗教を中心として一つの世界的な文化圏を形成しているのであり、国家形態においても、一つの世界的な主権機構を指向して、国際連盟から国際連合へと、そして今日に至っては、世界政府を模索するというところにまでこぎつけてきているのである。そればかりでなく、経済的発展を見ても、世界は一つの共同市場をつくっていくという趨勢におかれており、また、極度に発達した交通機関と通信機関は、時間と空間を短縮させて、人間が地球を一つの庭園のように歩き、また、行き来できるようにさせているのであり、東西の異民族同士が、一つの家庭のように接触することができるようになってきたのである。人類は四海同胞の兄弟愛を叫んでいる。しかし、家庭は父母がいて初めて成り立つのであり、また、そこにおいてのみ、真の兄弟愛は生まれてくるのである。したがって、今や人類の親であるイエスだけが再臨すれば、全人類は一つの庭園において、一つの大家族をつくり、一家団欒して生活し得るようになっているのである。
第三章 人類歴史の終末論 第四節 終末と現世 (三)第三祝福復帰の現象
神様の成し遂げようとされた創造本然の世界をサタンが先に非原理的な原理型として成し遂げた世界なので、サタンがいなくなった今、方向性は逆だとしても国家、社会などの体制が整ってきています。
経済についても貨幣を媒介とする世界市場経済は本然に近いと感じている方も多いと思います。本然の世界では紙幣に真の父母様の姿が印刷されるのだろうと思っている方も多いのではないかと思います。
しかし、私達は堕落世界に生まれ育ったので、この世界に慣れ親しんでいて、根本的な問題に気付いていないことが多くあります。その中でもとても大きな問題が残っています。それはお金と仕事の体制です。
仕事とお金は切っても切れない関係にあります。生涯に必要なお金は2億円から3億円だと言われています。仕事はそのお金を作り出すための手段です。生活費、光熱費、住宅ローン、車やガソリン代、保険代、冠婚葬祭の費用、などあらゆる場面でお金が必要です。
学歴や資格を重要視するのも、より多くの安定した収入を得たいからです。仕事が楽しく生きがいを感じている人もいますが、そんな人でも給料なしで働くかと言われれば働かない人がほとんどです。生涯に必要なお金を得るために貴重な労働力や人生の時間をお金に変えていると言えます。数億円のお金の奴隷となっていると言っても過言ではありません。
仕事は生きるためにお金を稼ぐ手段であり、また仕事は社会に貢献しているとみなされているので、人間生活において価値観の最上位にあります。仕事は錦の御旗のようなもので、仕事があると言えば誰も文句が言えない風潮があります。
このように仕事は社会人の基本とされています。どのような未来が来ようと仕事とお金は存在すると考えられています。
<神様の真の姿が示す本然の経済世界>
この考えを革命的に根本から変えるのが真の父母様の思想です。これは本然の人間の考え方であり生活様式です。それは神様の思想と生活様式にこの根源があります。
ここで神様のお姿と思想を振り返って見ましょう。
永遠、不変、絶対の真の愛のお方
神様には怨讐がない
愛を与えたくてたまらない
愛は与えて忘れる
無条件で為に生きる、とにかく与えて忘れる
天地創造の壮大な御業をなされた後でも、天宙が自分のものだという意識が皆無
もし天宙が御自分のものだという意識があったなら、堕落したアダムとエバ、ルーシェルを怨讐と感じられたと思います。神様に怨讐がないのは愛を与えて忘れておられる証拠です。
与えても見返りを求めない、無償の愛
見返りを求めないどころか、与えても少なくて申し訳ないと思う
これは驚くべき姿です。
神様の驚異的な真の愛の姿を歴史上初めて明らかにされたのは真の父母様です。そして真の父母様は神様の真の愛の相続を達成された方です。堕落人間、堕落世界とは余りにも違うのです。
堕落世界がどういう姿になるか、創世記に神様の予言があります。
更に人に言われた、「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べたので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。
地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。
あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土から取られたのだから。あなたは、ちりだから、ちりに帰る」。創世記3:17-19
これは堕落後に神様がアダムに言われた内容ですが、人間全体へのみ言でもあります。
「人間は一生、苦しんで地から食物を取る。・・・あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る・・・」とありますように、堕落によって、生きていくための糧を得るのに苦労すると言われたのです。
これは神様が額に汗して働くことでしか生きる糧を得られないようにされたのではなく、人間の相続した愛がサタンの愛だったので、必然的のそうなると予言された内容です。
つまり人間が仕事をして苦労しければ生きる糧を得られないのは、堕落性によるものだということです。このような内容は堕落性の説明には出てこないように感じられるかと思いますが、神様と同じ位置に立てない、自己の位置を離れるということに含まれます。神様と同じ位置に立てないのは神様の本性とは異なるからです。当然本然の位置とはかけ離れます。
こういう考え方をするのは私達だけです。最も優秀とされる経済学者や哲学者の考えとはかなり違います。
世界的の大きな問題となっている、個人間、国家間の経済格差の拡大、長期的な低成長、正解が見いだせない金融政策や雇用政策などについて、専門分野の人々が真剣に解決策を見つけようともがいていますが、できそうにありません。何故でしょうか?
それは経済的諸問題の原因が何かという視点が表面的であり浅いからです。これは神様の本当の姿に対する無知と人間の本然の姿と堕落という視点が欠落していることのよります。
真の父母様の思想は余りにも本質的なので、専門家でも理解できる人はほんの一握りです。何しろ私達食口も良く分かっていないのです。これは本然の人間と堕落人間の違いからきています。
私達も堕落性を脱ぎ本然に近づかないと理解できないことが多くあります。
その中の大きな問題が仕事とお金を中心とする経済問題です。
愛は与えて忘れるのが私達の父母である神様の世界です。
この愛の姿勢を経済に当てはめると、経済活動はお金を得るためのものだという前提が間違っていることが分かります。
<仕事社会と貨幣経済がもたらす堕落性習慣化の環境>
神様の願いは真に与えることのできる世界的な足場をもつことです。神様は与えることにおいて誰も讒訴することはできず、受けることにおいても誰も条件を提示することができない、自由で平和で幸福な場を望んでいます。そのような立場を世界的に広げて、万民をそこで生きるようにすることが、神様の得ようとされる所期の目的です。「真の神様」第二章 神様と創造の役事 一 神様の創造の動機は愛 1創造の役事は完全投入
このみ言によれば、何かを与えることにおいても、受けることにおいても無条件だというのです。何を手に入れるにしても必ずお金が必要な世界は本然の世界とは本質的に違います。受けるのも代償が必要、与えるのも代償を確認して与えるのが常識、これは堕落愛の考え方です。貨幣が支配する世界は人間にどういう影響を与えているでしょうか?
人間は知らず知らずのうちに環境によって大きく影響を受けています。貨幣経済と仕事社会の影響は破壊的とも言えます。
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何かを得ようとすればお金などの代償が必要な世界だということが刷り込まれます。
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他の人に与える場合もお金などの代償との交換が前提だという価値観が刷り込まれます。
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この世界では無条件の愛は存在しないということが常識化します。
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この考え方は家族や身内以外の人間は他人だという不信に基づく人間観を作り上げます。
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人類が兄弟姉妹だという世界は、現実にはあり得ないという考えが毎日強化されます。
対価なくしては欲しいものは手に入らないシステム
無償で与える本然の愛が消えた制度
貨幣経済は人間にとって条件付きの愛を刷り込む強力な環境
他人は信じられないということを無意識的に刷り込まれる
誰も無条件では与えてくれない世界
相互不信、不安、心配の世界
人類は兄弟ではない
資本主義も社会制度も堕落性から生まれ、堕落性を育てる仕組み
さらに追及していくと上記に関連した堕落性に気付きます。それは私有財産です。
資本主義の国々では私有財産を持つことは自然権として法律で保証されています。
共産主義の理想を実現しようとしたソ連や共産中国では生産手段を国有化し、計画経済によって発展を目指しましたが、賃金の格差をなくすことで労働意欲が低下し経済も停滞していきました。このため、ソ連は共産主義から資本主義に戻り、中国も私有財産を前提とする市場経済を導入しました。これらのことは堕落人間の物やお金への執着がいかに強いかを示しています。より多くのお金とより多くの私有財産への執着です。
イエス様の十字架の時に右側の強盗と左側の強盗がいました。み言によれば、右側の強盗は民主主義圏を象徴し、左側の強盗は共産主義圏を象徴しています。ここで重要なことは民主主義圏も共産主義圏も強盗だということです。
皆さんの家庭が神様の公認された愛によって築かれた家庭ですか。違います。皆さんの家庭は、お父さん、お母さんがサタン世界の堕落した愛の因縁によって結ばれた家庭です。そのような家庭で生まれたのが、正に皆さんです。それで血統が違うというのです。それは強盗にお父さんが追い出され、お母さんが強姦され、その間に生まれた退廃物のようなものです。結局、神様がいらっしゃることも知らない姦夫の一族、悪魔の社会になってしまいました。
「罪と蕩減復帰 第二章 罪、人間堕落の内的意味 三 サタンは神様の愛の姦夫 1 サタンは堕落した天使長ルーシェル
アダムとエバが完成して息子、娘を生んでこそ、実体的な神様の姿になります。しかし、サタンの息子、娘になりました。天使長の息子、娘になりました。神様と関係のない息子、娘になったのです。ですから、完全に否定しなければなりません。血統を汚したので、神様が思いどおりにできません。
愛する女性とあす、あさってに結婚しようというのに、山賊が盗んでいったも同然です。そのように山に入って、盗んだ物で生活し、息子、娘を生んで一つの民族になったのです。昔、結婚の約束をしていた男性がその姿を見たとき、どれほど惨めでしょうか。神様が全知全能だといっても、天使長を思いどおりにすることはできません。天使長を葬り去ることはできない状況で、その血肉が混ざった息子、娘全体を葬ってしまうことができるかというのです。ですから、神様は、囹圄(牢獄)の身です。監獄に閉じ込められているというのです。
第八篇 信仰生活と修練 第二章 心と体の修練 第一節 修練とは13 2005.4.15
民主主義世界も共産主義世界も独裁国家も神様のものを盗んで出来上がっています。この世的な見方ではなく、天的な見方が必要です。世界は強盗世界であり、強盗国家の集まりであり、全人類が強盗だというのが真実です。いかに名家に生まれ、最高の教育を受け、見目麗しく、人々の尊敬を集めていたとしても、その正体は強盗だという余りにも悲惨な世界です。
最近は強盗事件が多発していますが、ほとんどの人は、自分は強盗や泥棒をするような犯罪者ではないという第三者的観点で捉えていると思います。しかし、強盗や泥棒とは正に自分のことだと気付いていないのです。霊界に行けばほとんどの人が地獄に行く理由の一つがこれです。強盗や泥棒が地獄に行くのは当然のことなのです。
仕事をしてお金を得ているだけで天法に違反しているのです。地獄行きの切符を手に入れるために学歴や資格を手に入れて有名企業に就職し一生懸命に働く、何と悲惨なことでしょうか。仕事とお金及び所有に関する問題はこの認識を基本とすべきなのです。
堕落は、自分のものをつくろうとし、自分が所有しようとすることから始まります。神様とメシヤが来られるのに、このようにすれば必ずサタン側になるのです。それで従順の道理を通らなければならないというのに、いつも堕落した世界に執着する事情が残るようになるのです。皆さんは皆さんの所有を神様のために使おうとする時、どのようにしますか。私は自分が稼いだ物でも、夢にも私の物にはしません。
「礼節と儀式」第三章 礼拝と教会生活礼式 五 献金は法度に合うように捧げるべし 1 十分の一献金を捧げる法
本然の人間には私有財産への執着やより多くのお金を自分のものにしたいという欲望がありません。真の父母様の姿はそのことを如実に示しています。
反対に堕落人間はお金や物への執着が余りにも強いのです。私達はこの問題を完全に超える必要があります。そうしないとこの世の人々に範を示し指導することができません。昔の教会のように食口全員が教会生活していたころは、お金や物の共有は当然でしたが、家庭単位で独立するようになるとお金や物への執着という堕落性が頭をもたげるようになるのです。これも教会の万物運がなくなってきている原因の一つではないかと考えられます。家庭単位なっても万物に対する執着を持たないでいることは、初期教会時代より難易度が高くなります。天国を実現するためにはこれを当たり前のようにできる食口となることがとても重要です。
私のものはあなたのものであり、あなたのものは国のものであり、国のものは世界のものであり、世界のものは神様のものであり、神様のものは私のものだというのが、私たちの主流思想です。「礼節と儀式」第三章 礼拝と教会生活礼式 五 献金は法度に合うように捧げるべし 1 十分の一献金を捧げる法
旧約、新約と続いてきた十分の一献金の伝統は天国実現を前にして見直される時期に来ています。十分の一を捧げれば残りの十分の九を私のものとして使うという時代は終わるのです。真の父母様も過渡的に十分の一献金のみ言を語っておられますが、本当に伝えたかったのは上記のみ言です。私のものはあなたのものであり、国家、世界、神様のものなのです。
神様は天地創造で出来上がった天宙の十分の一は自分のものだと考えられたことは一瞬でもありませんでした。十分の十を人間に与えるために創造されたのです。私達にとってもこの概念が重要です。十分の十が神様と父母様のものなのです。
これは矛盾している考えのように見えますが、神様と人間は愛によって一体となるので、私のものは神様のものであり、神様のものは私のものとなるのです。愛による一体化がこれを可能にします。
強盗の生活習慣が受け継がれ、それが正しいとして法的にも社会的にも保証されているという余りに悲惨な事実があります。真の父母様でも北で身についてしまった習慣から抜け出すのに大変な苦労されたというみ言があります。
私が南韓にいてから北韓に入り、三年後に帰ってきた時、以北で感じた習慣性を解消する為に五年以上かかった事を覚えています。これを考える時、私達がサタンの伝統的な歴史を通じて受け継いだ習慣性を解消する為には、どれほど痛烈に悔い改め、身もだえしなければならないかを知らなければなりません。
「真の神様の祖国光復」第三章 統班撃破運動をなぜしなければならないのか 四 統班撃破は家庭を中心にしなければ
私達は貨幣経済、仕事社会、私有財産が前提の強盗の世界に生まれ育ちました。人類歴史、政治、経済、文化などすべてを強盗歴史、強盗政治、強盗経済、強盗文化と言い変えても言い過ぎではありません。この影響は余りに甚大です。堕落の環境で大きく成長した根深い堕落性を脱ぐには命がけの決意が必要だと思います。本然の人間になりたいなら、やるしかありません。
霊界で最も嫌う事は堕落圏を中心とした風習、習慣性です。風習によって習慣性になってしまうのです。日本人は日本で生まれましたが、食べ物は何を最も好みますか。汁と御飯なのです。アメリカ人はハンバーガー、韓国人はコチュジャンとキムチ! しかしこのようにだけ考えて生きれば、その習慣性は永遠になくす事が出来ないのです。
それならその習慣性をどのようになくせばいいのでしょうか。自らの習慣性をなくす事がこのように難しいのに、固着した堕落性、頑固な習慣性をもって霊界に行くならば、どれほど難しい立場になるでしょうか。それを、この地上で整備しなければならないのです。霊界に行く時、それがどれほど難しいでしょうか。ですから夫が問題ではありません。息子、娘が問題ではありません。夫と妻、息子、娘は、自らの習慣性を皆解決したのちにもたなければならないのです。「人間の生と霊魂の世界」第一章 人生の行くべき道 三 地上生活の価値 5 肉身で犯した罪は地上で蕩減しなければならない
<値段を付けることの罪深さ>
スーパーでの食料品などの買い物をするとすべてに値段が付いています。自家用車、バス、鉄道、タクシーなどに乗るのにお金が必要です。衣食住、公共料金を初めとしてあらゆることにお金が必要です。世の中のほとんどの物に値段が付いています。これは当たり前のことだと思って生活していますが実は余りに異常なことなのです。
なぜでしょうか?
それは神様の創造や役事が完全に無視されているからです。価値の決定に神様は一切登場しません。
例えば、車の原料は鉄や石油などです。鉄や石油にも原価があり、そこに工場の建設費や操業費用、人間の労賃が加わって高額になります。鉄や石油を造られたのは神様です。その時点で値段をつけることができません。神様の創造物に値段をつける時点で神様の精誠を踏みにじる行為です。自動車を設計するには人間の知情意を総動員する必要があります。組み立てるにも人間の知性や体力が必要ですが、人間はこれを自分独自の力だと思っています。しかし実際は神様の知性を借り、万有原力からエネルギーをもらっているので可能になっているというのが真実です。
卵一個は30円前後でしょうか。車は何百万円もします。卵に比べれば車は何十万倍も価値があるというのが通念になっています。
卵は親鳥を飼育して餌を与えればできると思っていますが、親鳥は自力で生きているわけではありません。親鳥の全細胞、全器官を動かしているのは神様です。生命活動は神様の役事以外の何ものでもありません。神様が親鳥に生命を与え続けていなければ卵はできません。この神様の働きをお金で測れるでしょうか?値段が付けられません。
卵を作ったのは神様です。養鶏業者はほんのわずかアシストしたに過ぎません。
神様の精誠のこもった卵には値段が付けられません。車の価値より低いということはあり得ないことです。それを30円という値段をつけて売り買いする行為は神様の精誠を無視した盗賊の行為です。無限の価値のあるものを神様から盗んで売っているからです。
売るのも盗賊、買うのも盗賊です。売買の経済システムは盗賊の巣窟です。
被造万物はもともと神様の血肉を材料として造られています。それに値段をつけてお金のやり取りする行為は不遜な行為であり、神様の心情を蹂躙する以外の何ものでもありません。こういう観点から見た時、世の中の商習慣はすべて狂っています。神様を知る私達はまずその異常さに気付くべきなのです。世の中の人々は自分が天法に違反しているとは微塵も考えもしていません。しかし、お金を媒介に売ったり買ったりすること全てがサタンの血統を自認する行為です。その恐ろしさに全く気付いていないのです。
この世がいかに悲惨なサタンの子女の世界なのか、身に染みて感じる必要があるのです。
買い物に行って品物に様々な値段が付いているのを見る度に悔しい思いが湧くのが神の子女です。み旨をなすために私達も売り買いしたり、給料をもらったりしますが、それは天国を作るまでことなのでお赦し下さいという心情が必要です。
そういう観点から見ると、経済学の基本とされている需要と供給の理論は神様を無視した強盗理論だという結論になります。
売る側は、より高い値段で売りたいと思います。買う側は、より安い値段で買いたいと思います。両者の思惑の均衡点で値段が決定するという理論です。
この価値の決定理論には神様は全く考慮されていません。神様抜きに価格を決めて売買することは当たり前とする理論なのです。これを基礎とする経済学が正しい理論として学校で教えられ世の中で常識化しています。無知とはかくも恐ろしいものです。神様から盗んだもので生活しているのに、もともと自分たちのものだと主張する理論です。盗人猛々しい理論であり学問になっています。
神様がいないことを前提とした社会通念を正しいと思って生活している人間も盗賊なのです。
神様の精誠でできている万物はみな無限の価値を持ちます。その価値を人間の都合で値段を付けて売買するという行為の元になっているお金は罪悪の産物です。お金には罪はないという人がいますが、お金は罪の産物であり、サタンの愛の体化物です。
私達がお金という異常な産物をなくすことで、神様を苦痛から解放して差し上げる必要があるのです。
経済の仕組みだけが異常なのではありません。堕落世界は異常に満ちています。私達がこの世がいかに異常なのかに気付くことが先決です。そこから天国は始まります。
無償で与えられる神様の精誠についてより深くお知りになりたい方は、「総論Ⅱ 真の愛の観点から見た創造 神様の精誠」、「絶えず私に注がれている神様の精誠の驚くべき実像」をご覧ください。
<お金のない世界、仕事のない世界、趣味生活を実現する平準化運動>
サタンが先行してできた共産主義運動は、ソ連、共産中国、北朝鮮など国家を成立させるところまで行きました。一方、共産主義を凌駕する共生共栄共義主義社会を形成すべき私達の運動は国家を形成できずにいます。
共産主義運動は外的な経済改革運動でもあったので経済的な不平等を感じているあまたの人々を糾合することができました。一般的に命の次に大事なのは経済すなわちお金という考えに共感する人が多いので、より豊かな生活を実現できるものがあれば多くの人が関心を持ちます。
私達は神様とメシヤを中心とする真理を前面に立てて運動を展開してきましたが、これに相対できるのは心霊基準の高い一握りの人でした。これはリーダーを集めるには優れていますが、大衆運動にはなりにくい面があります。
最近はSNSの普及もあって大衆の力が三権やマスコミに大きな影響を与えています。その意味もあって、大衆に訴求力のある経済やお金の観点を取り入れた原理的見解を展開すべき時期に来ているのではないかと感じます。
無条件の愛を否定する強力な制度である貨幣経済は消滅すべき運命にあります。
貨幣がなくなれば市場が成り立たなくなると考える人もいると思いますが、それは杞憂に過ぎません。これからの時代は為に生きるという神様の本性が人間世界に浸透していきます。それが最大の幸福だということに気付くようになるのです。
それと共に仕事が生活の中心に居座る世界はなくなります。人間の活動は本来この世的な仕事ではなく神様の創造性を相続した創造活動なのです。このため価値が付けられません。それは仕事ではなく趣味生活と呼ばれます。
この世では、何の仕事をしているのですか?という質問が人間関係を築く最初の質問となっています。しかしそれは、あなたの趣味は何ですか?という問いかけに変わります。
最近のAIやロボットの急激な発展は、神様の復帰摂理が最終段階に入っていることの何よりの証拠です。農業、漁業、工業、鉱業、建設、製造、インフラ整備、交通網、運送など、ほとんどの仕事はAIやロボットが行います。人間は労働から解放されるようになっています。
衣食住を得るために働いて賃金を得て生活するというライフスタイルは消えていきます。
お金に縛られてお金の奴隷となって働くのは堕落世界の悪しき習慣として消滅します。
条件なしに与えたい、無償で為に生きたい人が増えていけば経済は劇的に発展するステージに入ります。短期間のうちに世界的な大金持ちの生活レベルを万人が享受できるようになるのです。
お金のない世界:食材費、キッチン家電の購入費、住居費、衣料費、電気代、ガス代、水道代、通信費やパソコン・スマホ代、教育費、医療費、車の購入費や交通費、宿泊費、旅行代金、などすべてが無料でお金がいりません。すべての人が無償で与え、無償でもらいます。真の愛が実現している世界です。
仕事のない世界:生きるためにお金を稼ぐ必要がありません。AIやロボットが急速に発達しており、仕事としての労働は必要なくなります。
趣味生活をしなければなりません。神様が創造した時、無理やり造ったのではありません。喜びを感じるように造ったというのです。創造の神様の立場を、私たちは再び感じなければなりません。誰かが「やりなさい」と言うからするのではありません。せずにはいられないのです。たとえ眠らなかったとしても、それはしなければならないというのです。そこに、どうしてお金が介在し、環境が介在しますか。
ですから、趣味生活、趣味産業、趣味研究などが、神様と共に喜ぶ中で一つになって行われたものであってこそ、神様に所有されるものとなり、神様が愛する息子、娘たちが愛用できるものになるのであって、そうでなければサタンのものだというのです。お金を目的に、これをするのではありません。第六篇 真の万物 第四章 自然と海についてのビジョン 第一節 万物還元と趣味生活11 1997.3.9
<天国の社会や経済の具体的な姿>
ここで少しだけ本然の経済や生産の具体的な内容の一部を想像してみましょう。これはみ言を参考にして描いたものです。
農業:生産のほとんどの部分はAIやロボットが担当します。お金が目的ではないので、農薬の使用や、生産量第一主義は消え去ります。人間の健康増進や食事の喜びを第一とする農業生産に変わります。エネルギー問題が解決し、農業に多くの電力が自由に使えるようになると、シベリアや砂漠地帯も農地に変わります。現在より遥かに多くの農産物が生産されるようになります。
また、農作は趣味生活において重要な部分を占めるようになります。特に人生の晩年には多くの人が農業に参加すると思われます。
漁業:AIやロボットが大部分を担当します。み言にあるように、漁業は漁船による操業から養殖へと移行していきます。養殖は自動化、オートメーション化されます。
釣りは趣味生活において重要な部分を占めるようになります。真の父母様が魚釣りをされたのは精誠条件を積む意味があったのですが、それと共に本然の趣味生活をすることで神様に本然の喜びの生活を捧げるためでした。
建設業:これもAIやロボットが大部分を担当するようになります。豪邸を他の人に捧げたいという人は溢れかえるほどいますが、自分が住もうという気持ちはありません。すべての人が、自分では平準化された家屋の住むことを望みます。それぞれの家庭の合った家の設計は、設計を趣味とする人々が担当します。これにより堕落世界とは比べられないほどの芸術的多様性を持つ住居群が生まれます。
運送業:運送や引っ越しもAIやロボットが大部分を担当するようになります。トラックは自動運転化され、現場での荷入れや配達はAIを搭載したロボットが行います。
製造業:これもAIやロボットが大部分を担当するようになります。特に様々な製造ラインや各方面に必要なAIやロボットの製造が重要です。これは一部AIも担当しますが、この分野を趣味とする人が大活躍します。趣味と言っても片手間にするわけではありません。寝食を忘れるほど面白いし、ワクワクが止まらないのが趣味の世界です。かつてないほどのスピードで製造ラインやAI、ロボットが発達します。
エネルギー産業:現在は化石燃料が主要なエネルギー源になっていますが、エネルギーの供給源に一大変化がおこる前夜の様相です。これは地球温暖化問題とも密接にリンクしています。み言によれば水素がポイントとなるようですが、水素そのものを簡単に生産できるイノベーションや核融合などが実現されると、人類の生活は大きく底上げされます。これは資本主義経済によって実現するのではなく、趣味経済で実現すべき内容です。
教育:教育は人間の本性を啓発し育むという本来の姿から離れ、高学歴を実現するための収益産業となってしまっています。
教師は知識を伝えることもありますが、それ以上に全人格的に教師自身の生き様を通して、生徒の創造本性を啓発することが最重要です。
そのような教師の姿にあこがれ、教育に人生をかける教育趣味人の出番です。
医療:人々を健康にしてあげたいという情熱が求められる分野ですが、医は仁術ではなく算術になっているのが現実です。必要のない検査、しない方が良い手術、害の方が大きい投薬が蔓延しています。病院はお金を稼ぐという足かせから解放されるので、本然的な医療をなすことができるようになります。今までより遥かに多くの名医が輩出されるようになります。
交通、旅行、宿泊:インフラが整備され全て無料で提供されます。移動はほとんど自動化されます。天一国を訪れた外国人も全て無料なので人々が世界から押しかけてきます。そこで無償でもてなしを受けます。もてなす側の天一国国民にとっても喜びに満ちることです。最高の伝道の場となります。
世界は瞬く間に一つになります。
金融:銀行、証券会社、株式市場、先物市場、為替市場、などこれらはサタン経済の神殿群です。すべてが確実に消滅します。お金が無くなるので当然必要なくなります。
<天国実現運動の展開>
神様が欲しいのは愛です。人間という体と着て、愛の生活に浸りたいのが神様の願いです。
愛とは好きだ!という情感です。好きだ!という情感を最大限に味わえるのが家庭生活と趣味生活です。
趣味生活は自分が好きなことを夢中になる世界ですが、同時に最高のものを他者に与えるためのものです。人間にはそれぞれ創造本性があります。それは余りに多種多様ですが、その多種多様な個性が作り出す趣味の産物が重なり合うことで天国が完成します。
人間のすべきことは愛の生活に浸ることです。(詳しくは「お金経済の確実な消滅と天国の趣味経済」をご覧ください。
これからは政治的な活動がますます必要になって来ます。地方議会や国会に多数の議員を輩出する必要があります。選挙運動は最大の啓蒙の場であり、神様と真の父母様を証しする場です。そこでの政治理念としては、第一に真の家庭の実現です。それに加えて、私達は既存の政党とは全く違った主張ができると思います。それが「お金のない世界、仕事のない世界、趣味生活の世界」です。
神様中心のこの理念は、環境問題、格差や貧困の問題、国家間の対立や戦争、人種問題などあらゆる問題を解決します。
このような天国実現運動は、人類始祖から始まった経済、社会体制を根本からひっくり返すものです。当然、既成の勢力からの激しい抵抗が予想されます。特に上記に述べた産業分野において既得権益の大きい団体や個人、金融を生業とする企業や個人、富裕層、大企業に乗っかってきたマスコミなど、今回起こった教会を非難する論調など比較にならないほどの存亡をかけた死に物狂いの反対運動が起こってくると予想されます。
しかし大丈夫です。すでに述べましたように上位10%の人が富を独占しています。この10%の人たちが既得権益を持っているということは、残りの90%を味方にできる可能性があることになります。人口の90%という大衆を味方にできれば 流れは大きく変わります。
また、10%の人の中にも良心レベルの高い人がいます。この人たちは天国実現の理念に賛同してくれます。私達はそれらの人々が持っている既得権以上のものを提示することができます。真の愛のもたらす幸せや喜びに勝るものは存在しません。
このような大衆運動が起きるためには、ひな型として私達の教会に、お金が必要ない生活、この世的な仕事のない生活、趣味生活を実現する必要があります。天国の香りを放つ教会が必要です。
どうすればそれが実現できるか、真剣に考えて取り組むべき時が来ていると思います。天国のひな型を現実に見せてあげること以上に説得力を持つものはありません。
大衆運動や政治活動が得意な方は今こそ活躍の場が来ていると思います。宗教活動もいよいよ本番です。み言による教育がますます重要になってきます。
様々な創造本性を結集させて天国を実現していきましょう!